夫には夫の人生があり、妻には妻の人生があります。

夫に最初に出会ったときは夫ではなく男でした。

妻も最初は女でした。

二人が出会って恋愛をしていたときに、

「私たちは一生を一緒にいられるのだろうか」と思い、

一緒にいられると判断をして結婚をしました。

結婚すると同時に男は夫に、女は妻に変わり、

恋人関係から夫婦関係に変わりました。

夫は夫の記憶をベースに生きており、

妻は妻の記憶をベースに生きています。

それで妻は妻の方法で、

夫は夫の方法で生きています。

方法は異なりますが、

二人が向かう目標は一致しています。

夫婦の共通目標に他人が介入できる領域はありません。

目標に向かって夫と妻は各自の役割をしながら一緒に歩むのです。

ところが夫が共通の目標ではなく、

他の方向に方向転換すると問題が発生します。

この問題を解決できなければ離婚をして、

自分と同じ目標を共有できる人を探さなければなりません。

離婚をしてはならないという意味ではなく、

夫婦といのは共通の目標がベースにないといけないという意味です。

妻は夫によって傷ついたことだけを考えるのではなく、

夫として妻としてどのように生きてきたのかを

一度振り返ってみる必要があります。

共通の目標をもってうまく暮らしてきたのに、

夫または妻に心理障害が発生して目標が変わりました。

相手の目標が変わったので大変な苦痛を感じるのです。

もし夫が共通目標から逸脱しているとすれば、

その目標を放棄するのではなく、

夫を治療して本来の方向に戻すことも重要です。

憎くて嫌いでも本来の目標に戻れる機会は一度は与えるべきなのです。

皆さんもこれまでに家族の世話を懸命にしながら家庭を守ってきました。

夫のことは自分がよく知っていると自負しているかも知れませんが、

実は夫について知らない部分がはるかに多いのです。

不倫はストレスと強迫による心理障害ですが、

何が原因でストレスを受けて強迫が形成されているのか、

夫が話す言葉と行動だけで推測して判断してはなりません。

夫は心理が故障しています。

憎くても嫌いでも一度は直してみるべきではないでしょうか。

些細なほこりのせいで、

最先端の機器が故障する場合も茶飯事にあります。

なので原因を探して直す機会を一度は与えてみるべきです。

治療もせずに離婚をして

他の男と共通目標を探すことはとても大変で難しいことです。

もし夫との結婚生活が10年だとすれば、

他の男も10年暮らしてこそ、

その人の真面目が分かるようになります。

10年以内に何が起こるかは誰にも分からないことです。

相手に自分をよく見せるために意識的に努力をして、

短所を隠す不便さを甘受してまで他の男と一緒になりたいですか。

自然な自分のままでいられる夫が皆さんにも得です。

皆さんと長年一緒に習慣をつくってきた夫の心理が故障したならば、

一度くらいは直してみるのも悪くありません。

直してみたのに可能性がないときは、

その時に離婚すればいいのです。

共通目標に向かって歩んできたのに、

目標がずれたときは、

治療をして正常軌道に戻せば、

その道はより強固になります。